目が悪かったわけじゃない。ただ、大好きな人の真似をしたかった。けど、その世界はどうやら「早かった」みたいで…そして時は流れ、少年は祖父になった。そこで見える世界と、孫が見た世界は。思い出と目の前の時間が重なった時、受け継がれる何かに思いを馳せる物語です。
テーマとなる〝めがね〟を通して、子供心の好奇心、初めての光景への戸惑い、それが丁寧に描かれていました。 不器用おじいちゃんの優しさや、孫への愛情が、ほのぼのとした描写でスッと胸に入り込んできます。 主人公の後半部の描写を読むと、「ああ、この〝不器用〟もきっと、受け継がれていくんだろうなぁ」と確信すら持てる、時系列の工夫が面白い構成を感じられるはず。 全編通して、陽だまりのような暖かさを感じるストーリー、文体、お見事でした! 短編1話構成でパッと読めて、スルッと胸に沁み入ってきます……是非ともご一読を!
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