テンポの良い一人称の語り口で綴られた、一話完結の掌編です。 箱にまつわるエピソードが種類豊富で、ほんわかするものからその後が気になるもの、いいお話などなど。箱だけをテーマにして、よくぞここまで多様に。 箱にも意思があって、人生ならぬ箱生を紡ぐ。その物語が手ごろな文章量で楽しめます。隙間時間に、寝る前のひとときに。ちょっとエスプリが効いた小気味よい筆致は、読後感も良くて、とても気持ちよく読める作品でした。
箱を売る箱屋。箱は、色んなものがある。大切な物をしまう玩具箱、大切すぎて使われなかったジュエリーケース、用がない者の前では開かない道具箱、見た人間の見たいようにしか見えない箱書き…様々な歴史を持つ箱。あなたが欲しい箱は、なんですか?
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