主人公は、あるものをちょっと借ります。そのせいで、大変な事態に陥るのです。借りるということはどういうことなのか。その借り方、大丈夫ですか?
他責思考。それは人を不幸にする呪い。己の所業を省みず、自分に不運が起きれば他人のせい。「アイツのせいで……コイツが悪い……」そんな男が呪いの池に落ちます。その池に潜んでいたのは……。あなたは……血まみれの惨劇から目を逸らさずにいられますか?
投稿直後、ホラーの週間ランキングに1位になっていたことを切っ掛けに読んだ短編です。改めて読み、人の心のえぐみというのを再確認させられます。何故、自分を省みることが出来ないのか。主人公に感じる、気持悪いほどの偏った主観。勿論それは、著者の見事な描写もあるのでしょうが、同時に自分の中にも、そんな欺瞞的な部分があるのではないかと鏡を見せられているの心境になるからかもしれません。
もう、色々人生真面目に生きようと思います。素晴らしく書き込んだ主人公の心境行動結末。ゾワゾワしながら一気に突き進みました。ただし、特定外来生物は捨てるのやめましょうね(笑)
因果応報の文字も納得なストーリーが展開されます。ホラージャンルとなってはいますが読後感は、どこかスッキリした感覚が味わえます。――が、読者にそう思わせる主人公の描き出し方が、巧みなのです!いや、このキャラの心理描写が、本当に居そうで……むしろ「彼」を作り出せる方がホラーです!
往々にして、いるものです。自分のことを棚に上げて他人を悪しく言う人。自分も似たようなことか、あるいはもっと酷いことを誰かにしているのに、自分だけは何故かバイアスがかかる。自分がかわいい。他人のことなど知ったこっちゃない。これは人間の本質かもしれない。でもその本質を剝き出しにしている人にはなかなか幸福も訪れないものです。「仕方ない」この言葉が自分の口をついて出たときは要注意。自分の胸に手を当ててよく考えるべきときかも……
私は今回、カメの味方です。 いいぞ、もっとカメ! と応援してしまいました。 軽く借りたつもりでも、困る人もいるんです。 常からそんなことしてると、いまに…… えっ、このレビューの言ってる意味が、全然わからないですか。 なら、この作品を、ぜひ読んでみてください。 なるほどー、そういうことか、と、納得していただけると思いますよん。
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