悩んで病んで苦しんで。それでも戦う不健康戦士たちの詩。

株式会社イルネスカドル。
鬱病を患った青年ルークが新たに就職したその会社には、同じく精神疾患を患う四人の仲間たちとの出会いがあった。
症状は違えど、皆同じ問題を抱えている。
日々悩み、苦しみ、時には病んで死にたくなってしまうけど、彼彼女たちはそれでも生きようとする。
これも一種の人間賛歌だと思います。

そして読み進めていくたびに、精神病というものが他人事ではないということが読者の皆様にも分かるようになります。
同時に、生きるというみんなが当たり前にやっている行為が、実はとても難しいことだということも理解できます。
気分の問題? 大したことない? 周りに甘えてるだけ? 
精神病を知らない人からすれば確かにそう見えるかもしれません。精神病の苦痛は精神病を経験した人間にしか分からないものですから。
しかし、作者の方もルークたちと同様に精神病を患っている方です。だからこそこの作品は、精神病という病が何であるかが精神病の経験が無くてもダイレクトに読み取れる。
滅多にない素晴らしい作品です。

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