貴方の声で呼んで欲しいフルネーム

　中学二年生の新嶋色珀（にいじまいろは）には、今はまだ片想い中だが、運命の人だと信じて疑わない相手がいた。
　その相手とは、クラスメイトの大宮琥央（おおみやこお）のことだ。
　琥央とは幼稚園の頃から今まで一度もクラスが離れたことがない。

　夏休み明けの九月。
　実は、琥央が、色珀がレポートに書いていた〝新嶋〟という苗字を自分の苗字に書き換えるという、大胆な行動を取っていたことが判明する。
　その件がきっかけで、放課後に初めての喧嘩をして、二人の関係が大きく変わっていく。

　そんな、初秋に起きた恋の始まりを予感させる、運命のラブストーリーだ。