真実のアメリカ、絶望と希望の物語をカクヨムで読めることに驚愕

まず初めに、ベトナム戦争のワードで苦手意識を持たないで欲しいです。この物語は単なる反戦やカウンターカルチャーではなく、自分がすべてを失ったと感じた時に、最後は何によって救済されるかを示唆してくれます。そして救いとは、自分を悼み、励まし、今を強く生きること。自分はそのように感じましたが、読む方それぞれが自分の救いについて考えていただければそれで良いのかと。
また描写自体も秀逸で、どうして60年代のアメリカの空気をここまで描けるの? と唸りました。トウモロコシ畑、サニー・デイヴィス・Jr.、レイ・チャールズ……そして伝統的な田舎と反発する若者という構図は、幾多のアメリカン・ポップスが取り上げてきた題材でもあります。もちろんベトナム戦争も。
とにかく丁寧に織り上げられたこの作品、私のレビューなどよりも、いますぐご一読を!

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