呪いと仲直りする方法

無邪気な好奇心から行った肝試しが、かつての子どもたちに時限爆弾式の呪いをもたらすジュブナイルホラー。
未熟な時期の誤ちだからといって許されない残酷さと、善も悪も未分化な少年たちの苦悩が痛ましいです。
すれ違った友人と同じように呪いとも仲直りできないかと、純粋で幼い期待を抱きたくなる、タイトルも秀逸な作品でした。

これは最後にスクワレルオハナシ……
子供は良いでも悪い意味でも無垢だ。
成長過程を経て、自身の行動、周囲の環境により良し悪しを学んでいく。
けれども、誰が言ったか、純粋無垢は罪であると。
子供のしたことだからと、子供を理由に終わらせる大人がいる。
けれども、許す許さぬを決めるのは、受けた側。
謝ったから、許されて当然だからと終わらせるが、それは身勝手な理屈。
この作品の恐ろしいところは、冒頭でピースが揃っていること。
一見してばらけているから、読み進めないと、終わりに至らないと気づけないし分からないから恐ろしい。
ああ、確かにスクワレルオハナシである。

あなたの足元がね。

このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む（441文字）

このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む（331文字）

オカルトとしても、ミステリーとしても、読み応えのある作品でした。

登場人物の個性、人間関係や心理描写に深味があり、単純ではない展開と相まって、長編にも関わらず一気読みしてしまいました。

ありがとうございました。

少年たちは廃村となっている忌み地に出掛け、そこで遭遇したバケモノに呪いをかけられてしまう。数年の歳月が経ち、その呪いが発動すると、少年たちの周りでは次々と不幸が起こり始める。

怖い。
バケモノに遭遇したシーンで、純粋にそう感じました。○○ホラーという細かい分類なんて関係ない、無印ホラーな怖さでした。
怖さと不安がつきまといつつ、物語はテンポ良く進みます。その中で、少年たちの抱えている個人的な問題も明かされ、あちこちから不穏の予感がし始めます。
少年たちは年相応にみんな未熟で、逃げたり、思い込んだり、傲慢だったり、自意識過剰だったりすることもあるのですが、喧嘩しても仲直りできるような柔軟な強…続きを読む

文章が洗練されている上に、常に気になる謎を残しつつ進んでいく本作は、物語の中にある面白さを全く妨げることなく読者に届けてくれます。
投稿頻度も高く、しっかりと話を練って書かれていることも分かります。話数の割に評価が少ないからと言って侮っていい作品ではありません。

まだ連載中で12話ですが、あっという間に一気読みしてしまったので、★三つです。
文章がとても上手で、引っかかりなく読めます。これって、なかなかできることではないと思うんですよ。
ここから先、どんどん面白くなるといいなあと期待を込めて。