概要
大切な人を守りたいと願う心。父とは。子とは。
月を〈漆黒の神が覗く裂け目〉と仰ぐ世界。
王都に暮らす平民の子フェリックスは、冬の古本市で、大好きな本を父に買ってもらう。ご褒美に喜ぶものの、その日から、父が家を空けることが多くなる。
それから1ヵ月、フェリックスが家で本を読んでいると、焦げ臭い匂いがした。扉を開ければ、火の海が広がっていた。逃げることもできず、うずくまって怯えるフェリックス。助けに来た父は、あと少しというところで、崩れ落ちる木材の下敷きになってしまう。秘密の首飾りを託されたフェリックスは、玄関を目指して、駆け出すのだった。
父の言いつけ通り、総帥の従家エクエス家の館に向かうと、古本市で出会った行商人が立っていた。そぐわない身なりと態度に戸惑いつつも、フェリックスはついていく。
総帥フォルティス家の屋敷へと向かう馬車の中、行
王都に暮らす平民の子フェリックスは、冬の古本市で、大好きな本を父に買ってもらう。ご褒美に喜ぶものの、その日から、父が家を空けることが多くなる。
それから1ヵ月、フェリックスが家で本を読んでいると、焦げ臭い匂いがした。扉を開ければ、火の海が広がっていた。逃げることもできず、うずくまって怯えるフェリックス。助けに来た父は、あと少しというところで、崩れ落ちる木材の下敷きになってしまう。秘密の首飾りを託されたフェリックスは、玄関を目指して、駆け出すのだった。
父の言いつけ通り、総帥の従家エクエス家の館に向かうと、古本市で出会った行商人が立っていた。そぐわない身なりと態度に戸惑いつつも、フェリックスはついていく。
総帥フォルティス家の屋敷へと向かう馬車の中、行
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!壮麗にして壮大
騎士道物語に魅せられた少年が、数奇な運命から騎士の道を生きることになった、王族の血筋たる使命と愛を巡る物語です。……とまとめてみたのですが、自信がありません(^_^;) 壮大で一言でくくるには……!
騎士が好きで自分でも騎士の物語を書いている私にはドストライクでした!
神話により絶対的支配を肯定された少数の一族、男と翻弄される女たち、主家と従家の絶対的な格差、親と子、兄弟、親友の絆……丁寧に作り込まれた世界観に惹き込まれます。そこに見事な心情描写が加わり、それぞれの苦悩や身勝手な欲望が浮き彫りとなって真に迫ります。
その他に、色んなマイノリティ(もしくはいわゆる社会的弱者)みたいなものを…続きを読む