世の不条理を描きつつ、柔らかな筆致でほっとするような結末へ。暗闇から、陽だまりへ。見上げた空は、少しだけ明るい。なんだかひざの上で毛糸玉をほぐしているような、不思議な心地のよさと、安心感を感じるお話です。物語自体の構成も、おそらく作者様のバランスがいいのだと思いますが、とても馴染みやすいです。いつの日でも、どうかやさしさが落ちていてほしい。そんな作者様の胸中を、読んで想像するお話です。連載、お疲れ様でした。続編を期待してしまう我欲を隠しもせずに抱きつつ、次作を拝読できる機会を、楽しみにしております。
序盤は丁寧な筆致で主人公の追い込まれた状況を描写しています。昔の中国が舞台で、かつ文芸寄りの文章なので、じっくり読みたい方にオススメします。低血圧そうな(勝手な憶測です)神様とけなげな主人公が出会ってから、物語が急速に動き出します。続きが楽しみな作品です。
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