世の不条理を描きつつ、柔らかな筆致でほっとするような結末へ。
暗闇から、陽だまりへ。見上げた空は、少しだけ明るい。
なんだかひざの上で毛糸玉をほぐしているような、
不思議な心地のよさと、安心感を感じるお話です。
物語自体の構成も、おそらく作者様のバランスがいいのだと思いますが、
とても馴染みやすいです。
いつの日でも、どうかやさしさが落ちていてほしい。
そんな作者様の胸中を、読んで想像するお話です。
連載、お疲れ様でした。
続編を期待してしまう我欲を隠しもせずに抱きつつ、
次作を拝読できる機会を、楽しみにしております。