複雑なエゴが詰まった鳥籠で、黒鳥が選ぶのは

主人公であり王の婚約者候補であるデルフィーヌが、毒を盛られるという衝撃シーンから始まるこの物語。
最初から敵は見えているが、王宮という大きな籠の中は柵だらけ。
更にはこの毒も、『自作自演なのでは』という疑いまでも掛けられるという、踏んだり蹴ったりな状態だ。
それでも、この状況を打破するべく、彼女は事件の解決に向けて動き出す。

そんな背水の陣のような状況で、彼女の強い味方はエルネスト。
王の弟、王弟殿下である。

この二人のやり取りを読むと、読者として「いやもう、この二人早く結婚して幸せになってくれ」と願ってしまう程甘々である。

しかし、そうはいかないのがこの柵。
毒殺の主犯格だろうもう一人の婚約者候補。
王太后の傀儡である王。
確実に元凶である王太后。
どれも一筋縄ではいかない人たちに、どう二人は立ち向かっていくのか。
サスペンスとミステリーとラブロマンス。
とても面白い作品です。
是非、読んでいただきたい作品です。


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