若き勇者姫は使命を背負い、錆の中で対峙するは片腕を失った怪物

最も貴き神こと命鉱神ヲルカヌス、人々に様々な利器や知識、
武器を生み出す命鉱の大山脈を授けた。
しかし、命鉱の大山脈に恐ろしき隻腕の怪物が現れた。
その名は、錆犬王。残された右腕で、万物を錆び付かせる力を持っていた。

この怪物の出現から千年、神の申し子と信託された子供が生まれる。

主人公である、少女・エヌナだ。
彼女は戦争が泥沼化した世界を終わらすため、恐ろしい怪物の元へと向かった。

この話はまさに壮大な神話。
神と怪物に会う勇者という、王道ファンタジー神話。
けれど、彼女と怪物のやりとりは、世界観を保ちつつも軽快で面白い。
まさにライトノベル神話とも言えるバランスで出来ている。
本当に、この二人のやりとりが素晴らしい。
何を言ってもネタバレになるのが悔しいため、
少しでも気になると思ったなら是非読んでほしい。
私のレビューよりも、遙かに心を動かす物語がたった一万文字で読めてしまうのだ。
ワンクリックで1話目を開けば、あっという間に最後まで読んでしまうだろう。
そして、最後は続きはどこですかと、私と一緒に叫ぶことになるのだ。

短編にぎっしり詰まった、重厚で神々しいガールミーツモンスター。
是非読んでほしい作品です。

その他のおすすめレビュー

木曜日御前さんの他のおすすめレビュー204