土地神を祀る因習村、村社会の中で生きる主人公が信じるのは……
- ★★★ Excellent!!!
山に囲まれた限界集落、「おいぬさま」という土地神を祀っていた。
村の存続のためにIターン政策を取るが、根付いたムラ社会で生きてきた先住民と、来てやった意識の移住者の仲は芳しくない。
主人公は「おいぬさま」への進行を守る家に生まれ、幼少期に「おいぬさま」に助けられたからか、強い信仰心があった。
しかし、移住者にはこの「土地神への信仰」は受け入れられず、さらに互いの溝を深くする原因であった。
その中で、遂に移住者の一人が不審死を遂げる。
それが、引き金となり、村は惨劇へと歩んでいく。
読めば読むほど、「人間関係の沼」が詰まっており、追い詰められた時こそ本性が出るというのがよくわかる作品です。
怪異もホラーですが、それ以上に……。
もっと、おぞましいものがいる、そういう作品です。
「おいぬさま」とは、何なのか。
「信じる」とは、何なのか。
是非読んでほしい作品です。