Day17『砂浜』

 〈あの日〉は〈一人〉で海にいた。

 燦々と揺らぐ陽を浴びた寄せる波の音に混じって、「あれは〈鎖〉だ」と〈女〉の声が聞こえた。

 引いていく海の冷たさと、深々しんしんと積もる砂浜に足跡あしあと〈二つ〉。

 一つは私でもう一つは?

 汐風が〈何か〉を奪っていくから、不安に駆られた私は、〈誰〉かの足跡そくせきを追いかけた。

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