Day11『飴色』

 今は透明な飴も、遡れば心奥に閉じ込めて褪せた青写真と同じ色をしていた。

 身も心も溶けていく恋をした冬。一夜の夢を、生涯の夢だと想った甘い自分。

 全てが幻みたいな人だったけれど、あの熱は確かに甘かったし、冷えた朝焼けは形を変え、色が薄れた今でも憶えている。

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