概要
民法三十条一項、失踪宣告。七年以上生死不明の人間を死亡したとみなす制度
家庭裁判所調査官の相川は、ある失踪宣告の調査を担当することになる。年若い申立人、申立人の妹との面接を行い、順調に手続きが進む中、申立人から一本の電話が入った。
家庭裁判所調査官・相川
申立人・藁山島
申立人の妹・藁山琴
(ある家族の歴史を、家族の外側から少しなぞったお話。あるいは、家庭裁判所調査官相川が主人公のお仕事小説。)
家庭裁判所調査官・相川
申立人・藁山島
申立人の妹・藁山琴
(ある家族の歴史を、家族の外側から少しなぞったお話。あるいは、家庭裁判所調査官相川が主人公のお仕事小説。)
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!とある失踪宣告を巡る人間の物語
家庭裁判所の調査官である相川は、とある案件を担当することとなった。不在者の生死が7年間明らかでない者へ失踪を宣告し、死亡したものとする失踪宣告――それを行うための諸々を調えるため、相川は調査を開始したのだが……
タイトルにもなっている800円とは失踪宣告の申立手数料となります。そして申立をする申立人は不在者(失踪した人)の利害関係者(不在者の死亡で諸々の利害を被る人)。相川さんは申立人である不在者の娘さんや関係者さんに聞き取りを行っていくのですが、一見静かなやりとりの中から、人々の穏やかでも単純でもない関係性や心情のうねりが染み出してくるのですよ。東日本大震災で多くの失踪調査に携わった…続きを読む