第12話 初討伐②

「初戦も終わったし、森林に入ったばかりだから一旦入口まで戻って話し合わないか?」

「はい、ついでに話し合いが終わったらお弁当を食べませんか?」

「え?朝食作ってくれたのは知っているけど、弁当も作ってくれてたの?」

「いえ流石に昨日は時間も無かったので、先輩達が最後に開いてくれたパーティで

料理が結構残っていたので京さんにお願いしたら結構貰えました」

「そうか琴音さんは、格納能力があるから、そんな事も可能だよね」


「初戦皆どうだった?」

「私は詩ちゃんの氷縛が凄く助かりました、

普通ならあんなに速い敵にペットボトルの液体何て当てられません」

「氷縛は敵に魔法を当てる感じでは無くて敵の周りに魔法を絡み付かせる感じなので、

視界で追えれば外す事は無いんです」

「クールタイムはどれ位ありそう?後何発撃てそう?」

「あの魔法にクールタイムはありませんが、呪文詠唱は十秒ちょっとかかります。

撃てる回数は、四~五回くらいですが、

琴音さんに貰ったMP回復ポーションを飲めばもっと平気です」

「琴音ちゃんのポーションすげーよな、

俺も攻撃力上昇ポーション使ったけどスキル一発で倒せたし」

「そんな最初だけですよ」


「詩さんの氷縛だよりだと前衛の技術や連携が上達しない養殖前衛になりそうだから、

基本的に今回と同じ様に対応しよう、ゴブリンも二匹以下しか相手にしない。

これからもそうだけど、

基本的に討伐前に決めた安全ラインは討伐中はイレギュラーがない限り上げない。

もう少しいける、もう少し行けるで全滅とかしたら大変だからね。

所でさっきのゴブリン討伐してから自分のステータス確認してみた?」

「おお、LV上がってるし剣士見習いから剣士になれた」

「おめでとう竜司君、私もLV上がってました」

確認すると全員LVがあがっていた。

「サンクス琴音ちゃん、蒼後でスキル習得の相談にのってくれ」

「分かったよ、でも最終的に自分がどうなりたいかだから助言だけな」


あらかた話し合いも終ったので格納から食事を取り出して並べていく。

手を洗うようの水も用意していたけど男性陣はハンカチを持って来て無かったので、

予備のハンカチを渡してあげた。

「怪我もそうだけど、病気も予防して下さいね、手洗いうがいは基本です、

とはいえ、前衛職装備の関係上、討伐の際のハンカチは私がこれからも持って来ますね」

「ありがとう、今は私服とそう変わらないけど、

装備が整ったらポケットとかないから助かるよ」

「うーーーん、それなんですが錬金で備蓄しているアイテムを売れば多少余裕出来るので、

カンパしますからせめて急所を守る装備を買って貰えませんか?」

「流石に悪いから遠慮するよ」

「悪い悪く無いの話では無いです、先程のゴブリンの動きが想像以上に速くて、

後から来たゴブリンは短剣も持ってました。

蒼君の挑発で複数のモンスターを相手にした時に絶対に急所守れますか?

多少の怪我ならポーションで治せますが即死は対応できません。

皆命がけでやってますが、蒼君の場合はスキルの性質上危険すぎます」

「ごめん、お金は後で返すよ」

「出世払いで良いですよ、砦に帰ったらちょっと京さんに先輩達のお古でも良いので、

良い物がないか聞いてみますね、無かったら新品を買いましょう」

「......おかんみたいだな」

「何か言いましたか竜司君」

私がギロリと睨んだが、全く迫力が無いので笑顔で誤魔化された。


食事を取った後に全部で五匹のゴブリンを危なけなく倒して砦に戻った。

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