第9話 実技訓練の終了と新居への引越

異世界に来て六日目で実技訓練が終った。

最終日の夜は砦の人達がパーティを開いて激励してくれた。

私達はそれぞれお世話になった人に個別にお礼をして回った。


明日一日は引っ越しや買い物をする為に使うらしい。

街への通行証と冒険者カードとそれぞれの装備と日用服三着を貰った。

蒼君は盾に剣、竜司君は長剣、大和君は短剣、詩ちゃんは両手杖、私は可愛らしい小さな錬金壺と錬金の本。

これからは基本自分達で自立して生活する必要があるけど、

砦に行けば狩場を割り振ってくれたり、たまに依頼もあるらしい、

取り敢えず第一波が三週間後に来るので、少しでもレベルを上げる必要がある。


砦から街まで歩いていく途中、私達のパーティメンバーだけになったので皆に声をかけた。

「皆の荷物買い物する時に大変だから私が持つよ」

「え、逆じゃね?」

竜司君は私の言葉に驚いた顔をして反射的にそう言った。

「私、能力に格納って能力があって結構一杯荷物持てるの、

重さも感じ無いし格納したら時間劣化もしないよ」

「琴音さん、凄いです。アイテム一杯持てる錬金術師って下手な回復職より凄いです」

「回復職には回復職にしか出来ない事もあるけど、MPを使わないからアイテムが続く限り私は回復できるの」

「それって金かかるんじゃね?皆でカンパする?」

「ありがとう、でも平気です。

結構錬金成功率高いし、攻撃力上昇ポーションとか私にしか作れないので、実は売ればウハウハです

むしろ皆のほうが装備を整えるのが大変ですよね」

皆は私が胸を叩いてウハウハと言った事で安心してくれたのか笑顔で納得してくれた。

荷物も私に預けてくれたので、私が格納能力で一時的に預かる事にした。


引越し先は京さんが破格な物件を探してくれたので、

一度皆で見学に行ったけど物凄い古い建物だったけど、

二階建ての石造りだったし中は定期的に掃除をしてくれてたみたいで少し掃除をするだけで使えそうだった。

調理場とトイレあり、お風呂無し、ベッド無しで代わりに干し草があったのでシーツをかけて使う事にした。


「買い物どうする?」

「日用雑貨と衣類シーツを買って調理器具も買いたいです。

後は今日明日の食材と最後にお風呂代わりの樽も欲しいですね」

「了解、各自で貰った準備金を個人で使う物は個人で皆で使う物は出し合って買う事にしよう。

ただし今日は掃除でホコリも出るだろうし出来合いの物を買って、料理とかは明日から当番制にしよう」


まずは日用雑貨を選んだ。

粉石鹸やトイレットペーパーなどの消耗品を買って、

下着や服を支給品以外にも数セット、シーツやホウキや雑巾など。

各自コップと平皿、深皿、フォーク一本ずつ、

調理器具は鍋とフライパンとお玉を買って最後に大きめのワイン樽を買った。

ワイン樽が結構高くて皆のお金がほぼ尽きてしまうので私が出すと言ったら、

一時的に出して貰えれば後で返すと皆が言ってくれたのでその言葉に甘える事にした。

薪は暫らく使う分は乾燥した物があったので、暫らくは持つだろう。

最後に今日の夕食を買って新居に向かった。


新居についたら早々にお掃除を始めた。

ホウキは一本しかない為、大和君にお願いして、

私と詩ちゃんは水回り、残り二人は雑巾がけをしてくれた。


夕方までとりあえずの掃除は夕方までかかった。

私は掃除が終わると二階の男性陣の部屋に預かっていた荷物を格納から出して置いて、

反対側の自分達の部屋にも同じ様に置いた。


この後少し休憩を挟んで当番や今後の方針を決める事にした。

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