第14話 大喜びで食っていた

 全員がどうやって持って帰るの?って思う程大量の貝を採っていた。

「貝以外にもこんな食べ物が採れるよ、蟹にシャコ海老それに海草」

「食べ方は?」

「普通に茹でて殻を剥いて身を食べる、赤サソリより旨いと思うぞ」

「あ、赤サソリより旨い物が有ったのか?」


 取り合えず皆の大量の収穫を全て収納し、帰る事にした。


 赤色人緑色人参加者を主に、王宮で試食会を開催した。

 調理はいたってシンプルなもの、貝は焼いて口が開いた物、蟹にシャコエビは茹でただけ。

 まず掌よりデカイアサリの素焼き。

 旨い汁がこぼれると勿体無い、貝を両手で取ってフーフーする。

 じゅるじゅる汁をすする「旨ぁ~~い!!!」

 次にスモモ程の身をホークで突き刺し、一口かじる。

 モグモグ…濃厚なアサリの旨味が口の中一杯に広がる!

「旨い!」

 触れてはならない神聖な海の物、誰も手を出すのを戸惑って居たが、旨そうに食べる僕を見て食に貪欲なバルスの人達、堪らなくなったようで一斉に食い出した。


「「「旨い!!」」」

「「何だこれは?海の幸放置していて勿体無い事をした!」」


「海の幸は生のままでは長持ちせず、直ぐに腐る!食べきれ無かった物は天日干しして、乾物と言う処理をすれば結構長持ちする事が出来るぞ」


 住民が食に困らない工夫は、為政者の勤め!

 これを期に、海産物の普及を真剣に考えてみた。


 太った芋の収穫に海産物の利用で、食料問題がほぼ解決した。

 赤色人に緑色人、それに黒色人の生活が安定したころ、北の白色人が攻めて来たとの報告を受けた。


 白色人は4本腕の、白毛ゴリラって風貌の狂暴な人種との事、食料(人肉含む)を求め攻めて来たようだ。


 ジョップ将軍率いる緑色人兵士が守る前線、僕は奇妙な者を見た。


 白色人を指揮する将軍のらしき者は、4本腕では有るが白い肌の女性に見えた。


「ソリス、あそこに見える白人女性、あれも白色人か?」

「白色人は男性体型と女性体型で、容姿が全く違います!女性体型はより狂暴で好戦的で、空腹ならば白色人男性でも喰らいます!特に子を宿した白色人女性は、見境無く喰らいます!」


「白色人ってカマキリかよ!危険過ぎて仲良くなれそうに無いな」

「裸王様には白色人女性情熱的に尽くすでしょう」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

バスルームから始まる異界行 犬時保志 @ysxyz

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ