第12話 ブラックバード騎士国が傘下に

ジェップの大声が辺りに響き渡った。

降伏せよで降伏してくれたら楽で良いが、簡単には応じないだろう。


「裸王様!降伏に応じました!勝利です」

簡単に降伏するんかい!

「黒い旗が見えるが、あれが降伏の意思表示か?」

「各国の色があります、ブラックバード騎士国は黒です、その旗を振れば降伏の意思表示です」


「バルスム国は赤旗を振るのか」

「裸王様?使徒様の国はどこにも負けません!赤旗を振る事は有り得ません!」

「僕のいた国では『赤旗を振る』事は別の意味があった」

「興味深いですね、使徒様の国日本でしたか?この件が終わったら使徒様の国のお話是非お聞かせ下さい!」

「僕のいた世界では『赤旗を振る』はこれから攻撃するぞ!って意味だった」

「お?……流石神の国!卑劣な奇襲攻撃で無く、これから攻撃するぞって知らせてから攻撃する、素晴らしいです!」


⦅何を言っても感動されるな⦆

僕達連合軍は、開け放された門を潜りブラックバード騎士国に入った。


「成る程、ブラックバード騎士国には降伏以外選択の余地が無かったか」

黒鳥が2羽、騎兵だろう兵士が5人ではもう戦うすべが無いって感じだ。


「赤色人緑色人同盟軍の皆さん、我々の完敗です!皆殺し以外なら条件を何でものみます」

「騎士王、名は?」

「大王様、失礼しました私はブラドと申します」

「僕が大王と何故分かった?」

「一目で分かりますよ!私も平伏したくなる、見事な物をお持ちだ」

バルス世界の住民、それで良いのか?パオーンが見事なだけで、それだけで偉いのか?「解らん世界だ」


「大王様、塩10㎏が賠償それから、ブラックバード騎士国は俗国になります。ブラックバードのつがい没収はお許し下さい、繁殖出来なくなって国が滅びます」

「塩10㎏もどうやって手に入れた?」

「ブラックバードで海水を汲みに行き、天日干しで塩にしました」

「他国を侵略しようとせず、塩の貿易で十分過ぎる利益が出たものを!」

「塩の貿易?」

「塩は貴重な物だ、バイオレット帝国以外は言い値で買い取ると思うぞ」


盲点だった、海はバイオレット帝国だけの物ではない、ブラックバード騎士国の西に海は広がっている、グリンピース王国の東にも海はある塩は勿論だが海産物、海草に魚介類食料増産のため海洋調査が先決だな。


「ブラドブラックバード騎士国は、塩以外の海産物何を採って居る?」

「海の生き物植物を食べてはいけない決まりです」

「ジェップ、何か知ってる?」

「海は神聖です、海の生き物を食べる事は禁止されて居ります」

「ん?誰が禁止した?」

「バルス神様です」

「おかしいぞ!あのじじい神はそんな事禁止しないぞ」


では誰が禁止した?そんな事して得をする者……バイオレット帝国か!!

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