第13話 海を支配するもの

「使徒様!バルス神様が禁止されたのでは?」

「お前達に信じ込ませた者は誰だ?」

「誰と言われましても…昔から言い伝えられて居りまして、それに海には入れません、化け物が立ち塞がり海岸には近付けません」


 バルス世界の争いは殆んどが食料不足から食料を求めての侵略だ、食べ物が豊富に有れば争いの多くは無くなる。

「海産物を採りに行くぞ」

「使徒様が行かれるなら、お供します」

 赤色人緑色人同盟軍にブラド騎士王と5人の兵士が海岸に向かった。


 潮風を感じた、磯の香りが濃厚になった。

「綺麗な砂浜だ、遠浅の海岸だな」

 立ち塞がる化け物の正体はクラゲだった。

「ただデカイだけのクラゲか、山陰で言われているイラと言う触手に毒を持つクラゲだな」

 打ち上げ花火水平射ちでクラゲは簡単に撃破出来た。


「大王様!エナジーを思念で操作出来るのですか?早く情報が入って居れば我がブラックバード騎士団を無駄に散らせる事は無かったろうに…」

 後悔とは先に立たないから後悔なのだ。


「ジェップ、グリンピース王国の海岸の魔物も同じか?」

「使徒様!同じで有ります!」

 グリンピースの食糧問題も解決だな。


「この遠浅の海岸ならば豊富に貝が拾える」

「使者様?カイとはどの様な物ですか?」

「ソリス、前のように羅恩らおと呼んで欲しいぞ」

「はい、裸王様!それで、カイとは?」


 波打ち際の砂を手で掻いて見た、掌位の貝が握れた。

【鑑定】アサリに近い貝、人体に有害な物は含まれて居ない。

「食用の貝だ味は解らんが、私の世界では旨かった」

「固い殻はどの様に処理すれば良いのですか?」

「焼けば口を開く、各自持てるだけ貝を採って騎士国に帰る」


 皆が貝拾いしてる間に海岸を探索した。

 岩場には拳よりでっかいダメ貝が居る、手当たりしだい採集した。

「大きくても500円硬貨位の物しか見たこと無い、誰も採らず放置してたお陰だな茹でると旨いぞ」


 ※【ダメ貝】瀬戸内海の岩場では、ありふれた巻き貝です。

 膨らんだ綺麗な蓋のダメ貝と、薄い幕の蓋があるダメ貝、どちらも塩茹でにして爪楊枝か針でホジクリ出して食べます、凄く旨いです。

 巻いた外からで無く内側からホジクリ出すと、磯の香りが美味しいワタも千切れず綺麗に出て来ます。

 少し細長い巻き貝【タバコダメ貝】は苦いワタを取り除き、身だけにすれば食べられます。


かににシャコ海老えびどれもでっかい!」

 鑑定して安全確認、味までは鑑定しても分からん。

 ついでに岩海苔いわのりにワカメも採って置いた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る