第10話 新農法で敬われた

「蜂蜜は、あそこに蜜蜂の巣箱が有ります、でもテツミネラルエキって?それで農業が上手く行くのですか?」

 以前の僕の仕事『鉄ミネラル液』を農家に販売促進が仕事だった。

 旨いだけでなく『大きく育つ不思議液』ってキャッチフレーズで販売してた。

 販売は、効果に時間がかかるため、飛ぶように売れる商品ではない地味で苦労の多い営業だった。


 だが!ここで役立つ!!


「この折れた木から樹皮と葉っぱを全て採取する」

「農業担当者!聞いてた?作業始めて!」

 30人程の赤色人男女が、樹皮がしと葉っぱ採集を始めた。


「この樹皮を天日干し、乾燥させます。ソリス畑は近い?」

「樹皮乾燥に5人取り掛かって!裸王様畑にご案内します、10分程歩きます」


「残りの作業者葉っぱを持って着いて来て!」

 ソリス達の歩きは速い、途中からへばった僕に合わせてくれたので、20分掛かった。


「思った通り、赤い砂の農園だな」

「こんな所ですが、池がある場所は少いもので」

 畑で何を栽培してるのか見せてもらうと、ゴボウの様な細い芋だった。

「よく考えてる、この芋僕が知ってる芋に似てる。痩せた土地の方が甘い芋に育つ、でも肥沃な土地なら大きな芋に育つ!」


 畑の近くに水槽と言うか溜池があり、赤茶けた水が満々と満たされて居る。

「持って来た葉っぱをモミモミして、この水槽に入れて下さい!3~4日で黒っぽい水に変わります、それが鉄ミネラル液です」

「4日もかかるのですか?」

「その間にこれと同じ溜池を作って、同じ作業をやります。効率良く水やりするためご苦労ですがやって下さい」


 赤色人だけで無く、帰って来たジェップに命令して緑色人作業者も招集させて、溜池を増やし芋畑も増やした。

 緑色人は力が強く凄く作業がはかどった。

 赤色人緑色人協同農園が出来上がった。

 クワ等の農機具小屋だけで無く、農作業休憩兼宿泊小屋も3軒建てた。


 小屋の建設に三ヶ月程掛かり、最初の芋畑の収穫時期になった。

「裸王様!凄いです!!丸々と太ったこれが芋ですか?全く別の物に見えます!!」

 赤色人農業担当者達が笑顔で言った。

「我らの大王様は、聖人様だ!!」

 緑色人作業者達も笑顔だ。

「いや、農作物の神、大地の恵の神だ!!」


「魔法を使われるし、私達に無い知識をお持ちで、不思議に思って居りました、バルス神様の使徒様では?」

「バルス神ってあのじいさんなら、会ったぞソリスが危ない助けに行けって、あの場所に送り出された」


「やはり使徒様」

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