第4話 赤い砂漠の大トカゲ

 代わり映えしない景色、赤い砂の砂漠が続く。

 赤色人の国バルスムまで、砂漠で2泊する必要があるそうだ。

 滑空車のスピードは結構速く感じるが、それだけ距離があると言う事だろう。

「ソリス、世界地図とか有る?」

「セカイチズ?とは何ですか?」


「裸王様、この近辺の地図でしたらナビゲーションシステムでモニター出来ます」

 運転手のジョップが振り向いて言った。

「ナビゲーションシステム?モニターだ?緑色人が開発したのか?」

「いえドット前王が黄色人科学者から、この滑空車を奪った時一緒に奪った物で有ります」

「略奪品か、それでも使えるのが凄い」

「黄色人科学者も捕虜として奪って、説明させました」

「…そうか、ソリスを捕虜にしたり、緑色人は無法な事やって来たんだな」

「ドット王の命令でやって居ました」


「これからは防衛戦以外戦闘は許可せんぞ!」

「勿論で御座います!緑色人は元々平和を愛する民族、グリンピースって言う位ですから」

(三大苦ミックスベジタブルの中で何とか許せる奴か)

 ※異論は受付ます。

 作者もオムレツや焼き飯の具として重宝してますが、娘が大嫌いだったもので。


「…裸王様バルス統一語でお話されてるのに、お二人の会話意味が全く解りませんわ」

「モニターと言うのはこれだ」

 僕は目の前、運転席のシートに設置されているモニターのスイッチを入れた。

「画面縮小はこれかな」

 小と表示のある一番左のボタンを押した。


 ソリスは驚いたような顔で画面を凝視してる。


(漢字でもローマ字でも無い文字が読める?バルス神ボケじじいかと思ったが良い仕事してる。収納と鑑定を試すの忘れてた)


 ボタンを4回押すと画面は四国と言うかオーストラリア大陸の様な物が画面いっぱいに表示され、ほぼ中央に矢印があり進行方向に『バルスム国』と地名があり、後方に『グリンピース国』の表示があった。

 画面上に『イエローホット国』『ホワイトルーク国』と結構大きな国土の国が表示されて居る。

『バルスム国』の遥か西に『ブラックバード騎士国』の表示、遥か下の海岸沿いに『バイオレット帝国』と表示がある。


「バルス大陸は六つ国が在るようだな」

「裸王様、イエローホット国もホワイトルーク国も危険な国ですが、バイオレット帝国は最も危険な国です」

「危険な国ばかりだな、戦争してるのか?」

「まだ攻めては来ませんが、各国ともに小競り合い紛争中です」

 ブラブラ裸で、どんな戦いしてる?


「裸王様!少し衝撃が起こります、ご注意願います」

 運転手のジョップが言った直後、軽い衝撃が起こった。

 滑空車は停止しジョップが飛び出していった。


 ドアを開けて何が起こったか確認する、ジョップが飛び出した方向には大トカゲが転がってた。

 モニターに気を取られ気付かなかったが、ジョップが滑空車で跳ねたようだ。

 ジョップは剣を振り上げ、2メートルは有る大トカゲの首を切り落とした。

「裸王様!赤トカゲです!夕食はトカゲの焼き肉ですよ!!」

「…トカゲを食べるのか?」

「裸王様、赤トカゲはとっても美味しいですよ」

 ソリスが嬉しそうに教えてくれた。

 ジョップが素早く解体しながら「裸王様、赤トカゲは赤サソリを捕食しているので、肉の味が良いです」と説明してくれた。


(赤サソリを食って居るから赤トカゲの肉が旨い?)

「赤サソリも旨いのか?」

「強力な爪に尻尾の毒針と、狩猟しゅりょうには危険が在りますが旨いですよ!!」

(冗談で言ったのにサソリも食うの?)


「裸王様、コロコロ草を採って来ます」

「ソリス、一人で行くのは危険、僕も着いて行く」

「裸王様、そこに見えてるのを採って来るだけ、危険は無いよ」

 ソリスが指差す方向に、丸い枯木の塊が結構転がってる。

「成る程コロコロ草って燃料か」

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