第14話 自閉症だったわたしへ ドナ・ウィリアムズ


10代の頃、読んだ。あの頃は発達障害の診断が下りてちょうど、発達障害への偏見や誹謗中傷で悩んでいた。


その頃に読んだドナの本は生きる指針になった。もう古い本なので絶版になっているんじゃないか、とひやひやしたがまだ発売されていた。ドナの詩も生きづらさも皆同じだった。新潮文庫には何かと感謝している。作家になれなくて新人賞に入らなくて気落ちしているけれども、それでも、本は好きだ。なぞるように読む本がある限り、私は新潮文庫を手に取るだろう。


ドナのあの頃は私のあの頃と同じだ。同じように解離性障害を発症し、放浪したドナ。今だって生きづらさは消えていないけどあの頃の痛みや涙が結晶化されている。本当に名著。



≪印象に残った一行≫



心の中のもう一人のわたしに向かって、おまえをそのおまえの世界から通報するぞ、と脅迫するようになった。



10代の頃、引いた箇所です。あの頃の痛みを思い出しました。


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