第16話 閉鎖病棟 帚木蓬生


私は10代の頃、閉鎖病棟に入院していた。


だからこそ、由紀ちゃんの気持ちって痛いほどよく分かるんだよね。


舞台はとある精神科病棟。閉鎖的な空間で繰り広げられる生活は一筋縄ではいかぬ愛があった。映画版も見ましたがそっと触れるような傑作でした。


10代の頃の痛みがひりひりと映像と文字には浮かんでいた。ままならない人生、明日を足掻いて生きるしかない。


実は帚木蓬生先生の出身、九州芸術祭文学賞で私は次席を受賞したことがあります。帚木蓬生先生は九州芸術祭文学賞を受賞した者からすると神様みたいな存在。そして精神科医。尊敬、尊敬、尊敬ですね。


読み返して思った。


この今のきつい時間もいつかは報われるんじゃないか、と。


精神科を巡る環境はまだまだ決して良くないけどこの作品がベストセラー作品になり、先生のような人が活躍されていることに希望を覚えました。



≪印象に残った一行≫


全ての文章が愛おしい。


心温まる文章でした。

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