第6話 午後の曳航 三島由紀夫
この小説があらゆる私が好きな作品の中でトップ5には入るかもしれない。
残酷な少年たちが繰り広げる愛憎劇。
少年は父を羨んだ。そして、憎んだ。
海に焦がれ、海に抗った少年の末路はあまりも酷かった。
三島由紀夫の小説は度々予言したと言われる。首領はどこかしら少年犯罪を思わせるようなキャラクターだし、潔癖なまでの少年たちの性的嫌悪は大人なら忘れてしまった、10代の少年少女の純潔さを思わせる。
三島由紀夫を読むと大抵『すごいね!』と言われてしまうのが不思議なくらい、この小説はヘビーでダークだ。
この『午後の曳航』からインスパイアした『星神楽』という作品で九州芸術祭文学賞を受賞できたけど、青二才の私は到底追い付けない。
ミシマ、恐るべし、怪力。
首領が言った、
暗い森に輸血しなくちゃいけない。
だったような?
残酷な少年たちはいつの時代もいる。この表現、三島由紀夫にしかできない……、と読み終えたとき、いい意味で震撼した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます