第5話 星への旅 吉村昭


希死念慮を扱った名作。まるで、YOASOBIの『夜に駆ける』を予言したような作品だ。読んでいくうちに息が詰まる。その息の詰まる感覚も愛おしく、美しい。新潮文庫にお世話になったので100冊分の感想を送るんだ! と意気込んでいるけど、読み返すたびにあの頃の痛みがよみがえる。もう一つの『少女架刑』。17歳のときに読んであの年代にしか成しえないエモさを感じた。主人公と同年齢のときにこの作品と出会えたことは望外の喜びだった。


死の焦燥感をなぞる名作。少年少女の墓標。



≪印象に残った一文≫



最後の主人公たちが星に向かって死の旅路へ叫んだ一言。


余りに暗く、絶望的でそれでいて刹那の美しさが逆光するシーン。

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