2 万歳万歳万万歳
「万歳万歳万万歳――姫様です。姫様でございます。
その言葉を、母である
二次性徴による身体変化らしき
長大なる
朝が
赤玉信仰の最高峰が、変わらず
玉蘭母子が起居するこの
囲い込まれたるは五邑の内の
玉蘭は、この四方津の長を父に持つ。
姮娥は、三人の親を持つ。それぞれから一種ずつ性を受け継ぎ、三種の性を
生まれ落ちてはじめは、誰しもただ子であり人である。性の別は匂いにも表れず、他者から認知もされ得ない。大抵、生後五十年から百年程で二次性徴を迎え、それによって性が
外見上にも
玉蘭には、生後百年を超えても変化が現れなかった。やや雌性寄りに見えるのは、母である璞蘭に似た為だろうと見なされていた。
しかし実際のところはどうかというと、玉蘭の容姿の構造自体は、
その結果、玉蘭は自身の異質を当然と
その日の目覚めは――
腹痛、頭痛、腰痛に加えて吐き気。
あまりの
悲鳴は、出なかった。
ただただ
最初はそれを下血かと思った。若しくは知らない内にまた女に刺されたかのどちらかだな、とも思った。結果的にその
それ程までに己は絶対に
あまりの馬鹿馬鹿しさに
これで母は益々喜び
――やってられるか
胸中激しく毒づきながらも笑みを絶やさぬ事はいくらでもできる。それだけの精神的鍛錬は積んできた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます