1-4

時方は、ひと言、唸った。


そして、少し間をおいて、こう言った。


時方「喜也さんが言う、『額』に書いてある

平仮名というものを、見せてもらえませんか?」


数九子は、部屋を出ると、しばらくして、

段ボールを、一箱持ってきた。


そして、それを時方の前に置いた。


箱を開けると、中には、7センチ四方の四角形の、左右の縁が波形の額のようなものが大量に入っていた。


よく見ると、その「額」には、平仮名が一文字書かれていて、全ての額に書かれている文字は、一つとして同じものはなかった。


時方「ここには、いくつ入っているのですか?」


数九子「あ行からま行までと、ら行の全てと、「や」、「ゆ」、「よ」、「わ」、「を」、「ん」の合計46文字です」


時方は、しばらく考えた後、数九子に言った。


時方「それでは、次に金庫を見せて

もらえませんか?」


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