第3章 謎解き

時方は、三津夫を庭に連れ出した。


そして、歩きながら、彼に話し始めた。


時方「三津夫君、善也氏の遺言に書かれていた

ヒントについて、何て書いてあったか

覚えているかい?」


三津夫「たしか、これは『おどし』だって

いうふうに書いてあった気がします」


時方「そうだ、それが、これだ!」


時方は、立ち止まると、あるものを指差した。


三津夫「こ、これは…」


三津夫は、しばらく、それを見つめ、

言った。


三津夫「これって何て名前でしたっけ?」


数九子「三津夫さん、これは、『ししおどし』ですよ」


三津夫「ああ、そうだった。それで…、どういうことですか?」


時方「つまり、善也氏の言う『おどし』とは、

脅迫の意味の『脅し』ではなく、

この『鹿威し』のことだったのだ。

これをヒントに考えてみたいが、

まず、部屋に戻ろう」


三津夫「はい」


三人は、庭から部屋に戻った。

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