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時方「三津夫君、君はこのくぼみに、
何が入ると思う?」
三津夫「それは、今の流れで言ったら、
獅子の『し』が、一つずつ入るのでは
ありませんか?」
数九子「でも、それはおかしいわ。文字は、
すべて一文字ずつしかないはずですもの」
時方「その通りです。つまり、同じ文字は
入れられません」
三津夫「じゃあ、何を入れるのですか?」
時方「三津夫君、さっきあなたは、自分で
言ったはずです。日本語では、獅子ですが、
一般に何と呼ばれていると言いました?」
三津夫「ライオン…ですか。でもライオンじゃ
四文字だし、入らないんじゃありませんか?」
時方「確かに、そのままでは、入りません。
二人とも、ここをよーく見てください」
三津夫と数九子は、金庫の、時方に言われた
場所を、目を凝らして見てみた。
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