3-3

時方「三津夫君、君はこのくぼみに、

何が入ると思う?」


三津夫「それは、今の流れで言ったら、

獅子の『し』が、一つずつ入るのでは

ありませんか?」


数九子「でも、それはおかしいわ。文字は、

すべて一文字ずつしかないはずですもの」


時方「その通りです。つまり、同じ文字は

入れられません」


三津夫「じゃあ、何を入れるのですか?」


時方「三津夫君、さっきあなたは、自分で

言ったはずです。日本語では、獅子ですが、

一般に何と呼ばれていると言いました?」


三津夫「ライオン…ですか。でもライオンじゃ

四文字だし、入らないんじゃありませんか?」


時方「確かに、そのままでは、入りません。

二人とも、ここをよーく見てください」


三津夫と数九子は、金庫の、時方に言われた

場所を、目を凝らして見てみた。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る