ヘタレ・ランウェイ

　大学四年で彼女無し童貞の彬は、自分への引け目から、サークルの呑み会で友人――大弼の小説家になるという夢を嘲ってしまう。先輩――美花恵に、「夢も追えないクズ」と罵られる。
　腐った彬は、河川敷で月を見上げる。惨めになるが、不意に現れた女――桜子が月の見方を教えてくれる。彼女の言葉で奮起した彬は、自分を認め、ダメな所を直そうと、月に誓う。
　彼女の落とした本を拾った彬は、同じ大学に通っていることを知る。大学の図書館で働く先輩に茶化されながら、淡い恋心と共に彼女に本を返しに行く。だが彼女には恋人がおり、彬は声をかけることなく、本を置いて去る。
　先輩にからかわれるが、自分を変えようと決心した彬は、先輩にこの前のことを謝る。先輩は彬のことを見直す。その後、偶然桜子と再会した彬は、本を届けたことを感…続きを読む