芥川龍之介には『仙人』というタイトルの作品がふたつあり、本作は後期に手がけられたもの。本作はことに意味を求めて読むものでもないだろう。かるいコントといった趣。医師の妻は、そんなことをすれば死んでしまうことをわざとやらせている。つまり殺すつもりでやったわけだが、なんとかの一念岩をもとおすというのか。最後の豪商を付記したことからみるに、多分医師夫妻はそれに相応しい最期を遂げたことだろう。その豪商は有名であり、関心のある方は調べられてみては如何。
一念天に通ず。奉公しようと思った時点で仙人の資格あり。でも奥さま,気づいてないだけで実は霊力備えた化け狐なんじゃない?#カクヨム近代文学館
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