正統派の怪奇がここにありました

 凄惨なシーンや生理的嫌悪感を催すホラーが増えている印象のある昨今、そういったものとは無縁の、怪奇という二文字が似合う物語です。江戸川乱歩や横溝正史から続いてきた、そろりと罷り入る文体は、今だからこそ新鮮と感じました。

 全体的な感じられる「理解はできる」事象があるからこそ、「共感できない」部分のギャップに、いい知れない恐怖がある…私が最も好むホラーです。

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