概要
ほんとうのさいわいは一体なんだろう
漁に出たまま不在がちの父と病がちな母を持つジョバンニは、暮らしを支えるため、学校が終わると働きに出ていた。そんな彼にカムパネルラだけが優しかった。ある夜二人は、銀河鉄道に乗り幻想の旅に出た――。角川文庫『銀河鉄道の夜』所収。
(※キャッチコピーは本文抜粋)
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おすすめレビュー
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- ★★ Very Good!!我が愛する君との旅
宮澤賢治の作品は、私にとって読みにくい。解する、という回路では読むことがむつかしいしろものなのだろう。
賢治は作品を拾って描く。その執筆スピードは凄まじかったようで、理性をこえた、より内面の奥を、はしなくも描いたものなのだろう。
好き嫌いにわかれるだろうが、私にとっては、とっつきにくいものが多い。
本作は、比較的、そのなかでもとっつき安い作品。
そんな賢治作品理解を、今野勉著『宮沢賢治の真実』は助けてくれた。
本作はことに、それで読みがすすむ。
ジョバンニは、賢治。カンパネラは、賢治の愛したひと。
本作は、賢治が愛したひととの、こころの旅、もしくは別れの旅をしたはなしだろう。少なくとも私は、…続きを読む