銀河鉄道の夜
宮沢賢治/カクヨム近代文学館
一 午后の授業
「ではみなさんは、そういうふうに川だと
カムパネルラが手をあげました。それから四、五人手をあげました。ジョバンニも手をあげようとして、
ところが先生は早くもそれを
「ジョバンニさん。あなたはわかっているのでしょう。」
ジョバンニは
「大きな
やっぱり星だとジョバンニは思いましたがこんどもすぐに答えることができませんでした。
先生はしばらく
するとあんなに元気に手をあげたカムパネルラが、やはりもじもじ立ち上がったままやはり答えができませんでした。
先生は
「このぼんやりと白い銀河を大きないい望遠鏡で見ますと、もうたくさんの小さな星に見えるのです。ジョバンニさんそうでしょう。」
ジョバンニはまっ赤になってうなずきました。けれどもいつかジョバンニの眼のなかには
先生はまた
「ですからもしもこの天の川がほんとうに川だと考えるなら、その一つ一つの小さな星はみんなその川のそこの
先生は中にたくさん光る砂のつぶの入った大きな
「天の川の形はちょうどこんななのです。このいちいちの光るつぶがみんな私どもの太陽と同じようにじぶんで光っている星だと考えます。私どもの太陽がこのほぼ中ごろ|にあって地球がそのすぐ近くにあるとします。みなさんは夜にこのまん中に立ってこのレンズの中を見まわすとしてごらんなさい。こっちの方はレンズが
そして教室中はしばらく
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