概要
しかし、君、恋は罪悪ですよ。わかっていますか
遺書には、先生の過去が綴られていた。のちに妻とする下宿先のお嬢さんをめぐる、親友Kとの秘密だった。死に至る過程と、エゴイズム、世代意識を扱った、後期三部作の終曲にして漱石文学の絶頂をなす作品。角川文庫『こころ』所収。
(※キャッチコピーは本文抜粋)
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- ★★ Very Good!!小人閑居して不善を成す
うん10年ぶりに読んだ感想をつれづれなるままに。
単純におもしろかった。さすがだな、うまいな、とおもいもした。
が、内容としては、歯に衣着せずにいえばさもないものだった。
夏目漱石自身は、先生を、先生の自死へのみちゆきをどうおもっていたのか、と気になった。
丸谷才一の『戦争忌避者としての夏目漱石』が決定的なものになるとはおもう。そこにつけ足すことはなく、つけ足したら蛇足の域をでないだろう。
ただ、繰り返しになるが、私の感想としては、先生の自死へのみちゆきはくだらないとしかいいようがない。
小人閑居して不善を成す、でしかないのではないか。
語り手である主人公の先生への関心、執着が異様で、同性愛…続きを読む