歩きながら溶けながら

 およそ現代日本という環境の中で実現しえる、最大最悪の難儀な因縁があたかもフィブリノゲンのごとく主人公達を絡めとる。そこから解放されるためには、因縁を一つ一つ解きほぐしていかねばならない。それでいて、解きほぐしたが最後、呪いや怨念を全身に浴びていくことになる。それでも、主人公達は真相に向けて歩き続ける他はない。自らの心身が溶解し続けると知りながら。

 必読本作。

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