三人の父は、殺人鬼だった

とんでもない設定からスタートする、とんでもないとんでも伝奇ホラー。
何回「とんでも」を繰り返すのかと訝しまれるかもしれないが、まあ実際とんでもないのだから仕方がない。

しかし、これは「破綻している」という意味の揶揄ではない。
ストーリーそのものは、「そうそう、こういうのでいいんだよ!」という、ややオールディーな雰囲気をまとう正統派伝奇ホラー作品である。

主人公は息子であるはずなのだが、私としては三人の父親たちに感情移入しながら読んだ。

とくにお気に入りなのは八津次(はつじ)だ。
独自の価値観を持ち、己を貫く自由人。
その彼がまさか……(ネタバレにつき自重)

伝奇ものが百合やBL、恋愛などを主題にした作品に侵食されがちな昨今、「それはそれで悪くないけど、たまには骨のある伝統派ストロングスタイルの伝奇が読みたいぜ!」という硬派な読者におすすめの一作だ。

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