枝の外

 森の中で閉じられた運命に眠り続ける生涯を、主人公は荒削り(いや、荒削りなところが魅力でもあるのだが)ながらも打ち破った。かにみえた。

 自由の代償として恐るべき刻印が入れ墨のごとく注入された彼は、古代ギリシャ神話のユリシリーズよろしく波乱の人生へと船出する。

 旅は彼に苦行をもたらすとともに幸(さち)をももたらすであろう。

 必読本作。

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