どうでもよろしいオマケ設定

 Q、濃藍こきあい……? 深藍こきあいと書くのではないのですか?


 A、藍はどんな繊維にも良く染まる為、世界中あらゆる地域で、身分に関係なく愛されてきた最古の染色原料である。

 我が国の奈良時代では、濃藍こきあい中藍なかあい浅藍あさあい白藍しろあい、と色合いを四段階に区別し、色の濃淡をこまやかに楽しんでいた。

 なかでも、濃藍こきあいの呼び方がポピュラーになったのであろう、ただ濃藍こきあいと書くのではつまらない、と深藍と書いて「こきあい」と読ませる遊び心溢れる表現が、奈良時代末より散見される。

 読むほうは、これは濃い藍の色なので、「こきあい」と読むのを頭にいれて、深藍を「こきあい」と読まねばならぬ。

 平安時代に花開いた王朝文化の萌芽を感じさせる、エスプリに富んだ表現なのである。

 奈良時代において、主に宮中、上層の知識人に見られ、地方では、まだ濃藍こきあいと泥臭く直情的な表現しか見られない。




 Q、愛子夫いとこせとは何ですか?


 A、当時、妻、恋人を問わず、たった一人の愛しい女、運命の女ファム・ファタルを、いもと呼ぶ風習があった。

 女性は男性からいもと呼ばれて初めて男性を愛子夫いとこせと呼ぶ資格を得た。

 また、遊行女うかれめかどうかに関係無く、愛人のことを(何人でも)吾妹子あぎもこと呼んだ。

 ただ、吾妹子という言葉に卑下するニュアンスは全くなく、愛人に親しみをこめた美称であり、吾妹子を正確に表せる言葉は現代に存在しない。

 女性は男性から吾妹子と呼ばれて、初めて男性を吾が夫と呼ぶ資格を得た。




 ───出典、「奈良時代、その時代」

    宇曽追うそおい 照夫てるお 著  穂良吹ほらふき書房





 繰り返しますが、この物語の風俗は架空です。




     *   *   *





 ◎登場人物年齢表。


 登場人物が出揃う、阿古麻呂あこまろ登場時、773年、癸丑みずのとうしの年において。



 荒弓……43歳

 老麻呂おゆまろ……38歳

 遠野とおのの 薩人さつひと……29歳

 川嶋かわしま……29歳

 石上部君いそのかみべのきみの 日佐留売ひさるめ……25歳

 布多未ふたみ……24歳 

 莫津左売なづさめ……24歳

 上毛野君かみつけののきみの 大川おおかわ……23歳

 三虎……23歳

 福益売ふくますめ……22歳

 甘糟売あまかすめ……22歳

 阿刀宿禰あとのすくねの 藤売ふじめ……20歳

 (もう河内国へ帰ってますが……。)

 北田きただの 花麻呂……19歳 

 阿古麻呂あこまろ……18歳

 吉弥侯部きみこべ 古志加こじか……17歳

 難隠人ななひと……7歳

 浄足きよたり……7歳

 多知波奈売たちばなめ……0歳





 ◎背の高さ順。


 1位……大川

 2位……三虎

 3位……薩人、布多未

 4位……花麻呂

 5位……古志加、阿古麻呂、他、男性陣。

 6位……女性陣。



 大川さま、すごく背が高いですね。

 布多未は、背丈こそ弟に抜かれてしまいましたが、布多未のほうが筋骨隆々で逞しいです。

 花麻呂は、入団当初よりも背が伸びてます。

 古志加よりハッキリ背が高く、花麻呂と古志加で並ぶと妙にしっくりくる背の高さで、それが更にまわりから「兄妹みたい。」と言われる印象になります。



 以上です。ご覧いただき、ありがとうございました。





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あらたまの恋 ぬばたまの夢 〜未玉之戀 烏玉乃夢〜 加須 千花 @moonpost18

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