概要
縁切りを願うなら供物を捧げよ
*カクヨムWeb小説短編賞2022 短編賞受賞作品
学校では陰湿ないじめに遭い、家には母親の連れてきたろくでなしの男がいる。
狸穴(まみあな)神社にある縁切り地蔵にお供えをすると嫌な相手との縁が切れるという。なつきはあるものを用意して、夜の神社へ走る。
学校では陰湿ないじめに遭い、家には母親の連れてきたろくでなしの男がいる。
狸穴(まみあな)神社にある縁切り地蔵にお供えをすると嫌な相手との縁が切れるという。なつきはあるものを用意して、夜の神社へ走る。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!逃げ場のない少女が抱える心の闇と、世界への反撃。そして、同じ穴の狢。
狢=ムジナというのは主にアナグマのことを指すが、時代や地方によってはタヌキ、ハクビシンなどのことも指す。ようするに、格好の似た獣を一括りにして大雑把に呼称していたわけだが、今作には、そんな狢の中の一角、タヌキが登場する。少女の呪詛を受け入れる地蔵が祀られている神社の名称の中に。
主人公の少女、なつきは家庭にも学校にも逃げ場がなく、頼れる立場にいるべき大人たちは、誰もかれも下衆な者ばかり。血の繋がった母親ですら。
そんな孤独な少女が頼った――頼らざるを得なかったのは、近所にあった狸穴神社の縁切り地蔵。爪や髪を供物に、なつきは自分を虐げた者たちへ呪いをかけていくが……。
その結末は悍まし…続きを読む