ひとりの少女の、どうしようもない状況と、その堕ちていく過程を生々しく描いた短編。怪異よりもひとの心が恐ろしい、というとホラーのよくあるテーマかもしれませんが、この短編は、そうならざる得なかった過程を真に迫って書ききっています。読後感をしっかりと残したい方に、お勧めです。
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(218文字)
お話の完成度も素晴らしい。文章の読みやすさにも度肝を抜かれる。実力者の描いた超良質な極上の短編ホラー。
人生、生きていると色々あると思います。楽しい時もあれば、つらい時もあります。しかし、人はつらい時は永遠に続くと考えがちです。でも、違います。つらい時は必ず終わりますし、そして、その「つらさ」を理不尽に押し付ける存在は必ず裁かれます。この物語は、そんな当たり前のことを思い出させてくれる物語です。そして、それは・・・・
徐々に加速していく展開に手が止まらず、いっきに読み終えました。色々な恐怖を感じさせる作品でした。
非常にわかりやすく、非常にスッキリ(?)する復讐劇。主人公の行く末が怖い。
いじめてくるクラスメイト、母親のいやらしい愛人、ことなかれ主義の担任など、消えてなくなってほしい人間をまとめて縁切りする方法を見つけた主人公の少女。不気味な神社のたたずまいがいいです。爽快な復讐劇でした。
主人公のなつきは学校でいじめられ、家でも不遇の環境の中で生きています。ある日見つけたら縁切地蔵……そこから物語は一気に加速します。人の欲望が渦巻く、秀逸なホラー作品です!予想外の展開で駆け抜け、面白さのあまり一気に読了してしまいました。恐ろしい道筋を辿っていく物語をぜひご一読下さい。
読み始めた時は、てっきりオカルト系のお話だと思ったのですが、いい意味で裏切られました。社会の不公平を煮詰めたような環境にいる主人公が、「呪い」を通じて、歪み、病み、落ちていく様が、リアルに描かれています。「ホラー」でありながら、人間の醜さや昏さをも映し出す、秀逸な一作です。
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