七日帰り。読み終えた後に検索してしまいました。
このタイプの迷信は実際にあるらしく、やはり旅などから七日で帰るのは良くない、と考える地域はあるらしい。『七泊八日』の旅行はその点でセーフなのだろうか。そんな疑問もふと浮かんできます。
本作は、そんな「七日帰り」にまつわるコワい話が展開していきます。
不精なために六日間研究室に泊まりっぱなしの先輩に対し、これから帰るなら「七日帰り」には気を付けるようにと伝える主人公。
そして、現実にあったという「七日帰り」で発生した事例について語ることになる。
とにかく「実際に語り継がれる話」がベースになっているため、リアリティが濃厚に伝わってくる作品でした。作中で出てくる怪談の内容も、「なんか実際にありそう」と思わせるタイプのもので、作品全体がなんらかの実話をベースに書かれているのではないかという気にさえなるものです。
そして、その先で起こる「結末」とは……。
作中の怪談で出てきた「よく聞き取れなかった何か」とは。そもそも、この怪談の正体とは。七日帰りの結果に起こったことは。
自分たちの生きている世界が「よくわからない法則」に支配されている。そんな足元の覚束なくなる不安を感じさせる、じわじわ来るホラーでした。