労働基準法、法定労働時間において、一週間につき労働時間は40時間まで、一日の枠は8時間までと決まっておりますが、その決まりから外れてもOKなのが「専門型業務」。
新商品開発や、テレビ局の仕事、研究職などもこれに含まれます。
そうした仕事に従事している方々に、是非読んでいただきたいのが、こちらのお話。
泊まり込み、長時間続くお仕事で、日数の判断も付かず、それこそ昼夜どちらかさえも室内では分からなくなること、あるのではないですか?
それで体は大丈夫? 精神も大丈夫?
だけどそれ以上に、今日が帰宅しないで何日目か、ちゃんと数えてる?
七日目じゃない?
全体通して、登場人物の皆さんはちょっと疲れております。
だから「ふわぁっ」としているのですが、その「ふわぁっ」に気を抜いていてはいけませんし、読み手は引き込まれてはいけません。
最後まで読んでみて、それが最期にならないことを願うのみ。
話の中に入り込んで「目を覚ませ!」と、人物の肩をゆすりたくなること、請け合いです。
この物語はフィクションのはず。でも、あなたや、あなたのまわりで同じ状況の方がいたら、つい聞きたくなると思いますよ。
「今日で何日目?」ってね。
個人的にこういう温度の、怖い話が好きです。
露骨なグロもなく演出もないが、後々考えれば「おい!?」ってやつ。
主人公の先輩は、研究漬けで近所に住んでいるのにも関わらず学校に寝泊まりしていたそうです。
しかし、さすがに四日も同じパンツを履いているのはどうだというので、
七日ぶりに家に帰ることにしました。
そこで、何気なく主人公が口にした、七日帰(なぬかがえり)りという知人の物語でした。
まあ、家を七日間開けたのちに、七日目に帰るとよくないことが起きるという話なのですが、
これを聞いた後、もちろん信じない先輩の身に起きたのは……
そして次々に、輪郭が現れ始める、この話の正体。
暑い真夏に、程よい背筋ゾク! をくれます。
ご一読を!!
よく、人面魚、とかありますよね。あれは、人間の視覚で模様から「顔」などの概念を導く機能がある程度の曖昧さを必要とする(でないと、ある他人の顔が人間の顔に見えないときがありますよね?)ため、逆に顔でない物体も顔として認識するグレーゾーンに入るからです。顔が無い場所に顔が有るのでなく、顔でないものを顔に見立てる人間の脳と精神にバグ(最近の流行だと「セキュリティホール」)があります。
本作は、事実関係を確認すると、まぁ、あんまり……
でも、浮かび上がるんですよ。魚の胴で顔が笑っているように、こちらを笑って見ている目が……
これは、どっちなんでしょうね? 人間の認識がバグっているだけでしょうか。それとも、ここで笑って見ている目が見えないと他人の顔も見失う程に大切な何かが警告しているのでしょうか。
虫の知らせ。それは、思い違いでしょうか、大事な気づきでしょうか。
と脅しても、作中の登場人物は理系大学院生が二人だけ。非論理的な虫の知らせを無視する様子ですが。
ショートなので、ネタバレにならないように短めのレビュー。
「七日帰り」を題材にした本作。
最初は何気ない理系の研究生(研究員?)の会話から始まります。
そして、そこから始まる、どこか引き付けられるコントのような会話。
この時点でいつの間にか本作に沈み込んでいました。
その後に訪れる怪異も、急にビックリするのではなく、ジワジワと自分や日常に侵食していき、気付かぬうちに取り返しのつかない所まで来ている恐怖を体験出来ました。
3000字未満ですが、しっかり起承転結があり、恐怖も感じれます。
サクッとホラーを体験したい人におススメです!
貴方は帰る事が出来るのか……?