絶望的な世界の中で。一点突破の変質者たちはかくあれかし。

一見、軽そうなタイトルですが、冒頭より絶望的な状況の重い破滅的状況が広がります。
具体的には、プロローグだけでも読んでみてください。たぶん吹き出しますから。
なにしろ、出てくる登場人物、あるいは女神様は、誰をとっても一筋縄では行かないのです。

そんな魅力的?な登場人物たちが闊歩する本作は、世界が複合的な災厄に見舞われる運命を知った女神の視点から始まります。

経験豊富な女神と、職務に忠実で生真面目な副女神が、滅びが近づく世界を救うために持てる力を捧げる。
そこで運命に見いだされた救世主たちは、女神の前で引き合わされる。

一人は優秀な聖職者。 慈悲深く、強い正義感を持ち、若くして司教に推薦される有望な若者。
一人は心優しき女子高校生。 それは転生者の卵。天才肌で文武両道、家柄も良し。

女神たちの願いを聞き入れた二人は転生し、来るべき世界の危機へ立ち向かう。
しかし世界の都合から別々の地での転生を余儀なくする二人。

「約束してくれ。来世は俺の隣に居ることを……」

そして、二人は再会を誓い合い、新たな人生を歩み出す。
(自分の)世界を護るために。

と、このような冒頭を経て物語は始まります。

巨乳に全ての判断基準を捧げ、それ以外は極めてまっとうな有能聖職者と、悪役令嬢にあこがれる心根が聖にして謙虚な令嬢が、それぞれの視点で紡ぎ行くストーリー。
みんな、どこかオカシイ。
一見すると尊敬されるべきなのに、強烈に何かを踏み外した登場人物たちにより織り成されるのは、(笑)に満ちた物語。

ちょっとお手すきの時にでもいかがですか?
うっかり次の予定をキャンセルしたくなりますから!

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