冷淡な変節警察卿と退廃に沈められた無垢なる少年王、その死の行方は?

1789年、フランス。有名な革命でギロチンに沈んだルイ十六世とマリー・アントワネット。
この二人を両親に持つその少年は、時代の奔流と周囲の大人の思惑に翻弄され、異常な環境に沈められて育ち、命を散らした。
そんな無垢なる男の子、幼くして命を落とした子の死を悼むのは、生き残った姉である女傑マリー・テレーズ。
彼女は、その不幸な弟の死の真相を知るべく資料を探していた。
そんなマリーの前に立ちはだかるのは、歴史的変節漢として名高いジョセフ・フーシェ警察卿。
その対決は周囲を巻き込み、悲惨な疑惑は形を変え、それは意外な形をなり皆の前に提示される。

その悲しむべき死。
十にも満たない齢の少年がその死の前に遺した言葉、それは。
何もできなかったけれど、それでもしてあげられたこととは。

歴史の評価、当時の評判、それを裏切る真実の姿。
哀しい歴史を紐解くと、時代の流れに乗り、そして抗う心が見えてくるような気がします。

読了後、ジンと胸に沁みる何かが感じられました。
本作、いかがでしょうか。

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