愛さずにはいられない


誰もが笑顔になれるように、楽しめるように。
そんな作者様の気持ちが作品全体からほかほか立ち上って読者を包み込み、物語の世界に連れて行ってくれます。

登場人物は一人残らず愛嬌たっぷり。敵役も憎みきれない、愛すべきおバカさんたち。

どんな困難に出くわそうとも、悩みすぎず楽観的で、人生って本当はこれくらい軽い気持ちでいいのかも。と、つられてこちらも前向きになれます。


そのライトな作風にスルスル読み進んでしまいますが、ストップ! ちょっと待ってください。
少し立ち止まって、もう一度読み返してみてください。

文章がとても巧みなんです……!

さくさく読めるよう、よく練られているんです!

そこに気付くと、面白さが倍増します。
もちろんスピードに乗って読んでいただいて構いません。ですがぜひ文の上手さにも着目してください。間のとり方、テンポ感。とてもよく考えられています。

これが私の一番のおすすめ理由です。
軽やかに読むことも、しっかり読むこともできる。それがこの作品の強みなのです。

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