第一章、始まり、長野健斗
電車が揺れている。目の前には昼間から酔っぱらった中年のジジイ。俺に向かってものすごい剣幕で怒鳴っているが、学校帰りの疲れた頭には申し訳ないほど入ってこない。
その時、俺の横にいる友人の
俺はこの後起こることを危惧して、思わず目を瞑ってしまった。そして嫌な予感は的中した。
「私の彼氏に手を出さないでください!」
明日香はそう言い放った。俺は思わず目をかっ開いてしまった。眠気などどうでもいい。でもこの状況は理解不能だ。下手に声を出して否定するわけにもいかなかった。
次の瞬間、俺は明日香に手を握られた。しかも俗に言う「恋人繋ぎ」だ。そして、俺は彼女に腕をひかれるがまま、電車の車両を移った。
もはや何が何だか分からない。俺の頭はパニックそのものだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます