概要
「あの伯爵の手にナチスの財宝が?」疑念が女優を戦争の記憶に導く
一つの大きな戦争が終わり、女優になった「私」は北の小国で冒険映画を撮影していた。
そこで共演した一人の「俳優」は、ある伯爵令嬢と身分違いの恋に落ちて一騒動を巻き起こしつつつあった。
……というのは、実は表向きの話。「俳優」の目的は先の戦争にまつわる秘密を抱えたと思しき「伯爵」だった。
興味を持った「私」は「伯爵」に真偽を聞き出すため、別れた夫について語り始める……。
そこで共演した一人の「俳優」は、ある伯爵令嬢と身分違いの恋に落ちて一騒動を巻き起こしつつつあった。
……というのは、実は表向きの話。「俳優」の目的は先の戦争にまつわる秘密を抱えたと思しき「伯爵」だった。
興味を持った「私」は「伯爵」に真偽を聞き出すため、別れた夫について語り始める……。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!戦争に翻弄され、彼らは出会う
登場人物たちは、第二次世界大戦期、身分があったり、運が良かったり、技能を持っていたりして、どちらかといえば「ましに」生き延びられた人々だと言えるかもしれない。
けれどもそんな彼らもまた、生まれながらのものを剥奪され、戦争体験に蝕まれ、苦悩して、「戦後」を生きている。
空に憑かれた男たちと、そんな男たちに出会った女優。
虚々実々、貴族であり、前線で戦争を体験し、生臭い政治にもおそらくはかかわっているだろう彼らは、しかし女優の目を通して見れば、不思議に「純」だ。
そして魂のどこかで、ほとんど会話すら交わしたことがないはずなのに、通じ合っているようにも思える。
それはきっと「空に憑かれ…続きを読む