4万pv感謝! 昨日まで犬猿の仲だったはずの学年一の美少女の夏樹さんが今日会ったらオチてました。本当になんで!?

タカ 536号機

第1章

第1話 いやいや、どうした夏樹


 まず、最初に説明しておこう。俺こと新田にった すい夏樹なつきは長年の犬猿の仲である。小学校で出会った初めからお互いが苦手であった。しかしながら、中学も同じ高校も同じと全く被らなくていいところまで同じでお互いにうんざりしていた。


 高校の合格発表の日、夏樹なつきが合格発表を見に来ているのを見つけた俺は絶望した。多分、夏樹も同じだったのだろう。俺の存在に気がつくと顔を青くしていた。


 それほどまでに気が合わないのである。しかし、そんなことを知らない神様は俺たちを離してはくれない。まさしく、腐れ縁。いや、腐っている縁だ。時折、神様を殺したくなる。


 では、何故それほどまでに仲が悪いのか?


 理由は単純明解である。恐ろしいほど真逆なのだ。

 夏樹なつきがたかのこ里が好きなら、俺はきのたの山が好きである。

 夏樹なつきが少年ジャン◯派なら、俺は少年サ◯デー派である。

 夏樹なつきが紅茶派なら、俺はコーヒー派である。

 夏樹なつきがパン派なら、俺は米派である。


 そう全て真逆なのだ。それ故にそりは合わない。昨日だってそうだった。というかいつもそうだ。運命の神様はとことん俺たちの邪魔しかしない。


 俺たちは、10年間ずーーーっと隣の席である。何度、クラス替えをしても同じ。何度、席替えをしても同じ。それは先生も謎に思うほどずーーーっと隣である。ちなみに言えば家まで隣である。つまり、平日に会わない日などあり得ないのだ。


 これほどのある意味奇跡の連続するお隣さんが完全な犬猿の仲である確率などどれほどだろう? 俺たちは本当に運命の神さまに嫌われているのだ。


 そして、昨日も当然喧嘩をした。というか毎日だ。


「だかーら、ここの主人公の心情は悲しいの一択でしょうが」

「バカそんなわけないだろ! ここの富田君の心情は怒ってるの一択だろうが」

「あのー、夏樹なつきさんと新田にったくんどちらも合ってので争わないでもらって」

「いえ、先生……こいつとはいずれ決着をつけなきゃいけないんです。今日こそ、思い知らせてあげます」

「そうですよ先生。この生意気な女。黙らせてやらないといけないんです。止めないでください」

「授業を熱心に受けるのはいいことだけど、君たちだけいつも白熱しすぎなんだよなぁ」


 そう言って先生はぽりぽりと頭を掻くが今はそれどころではない。


「ってか、先生。こいつらいつもこんな感じなんで気にしなくていいですよ?」

「そうですよ。いつものことなんで」

「いつもこれだから、困るんだよなぁ」


 駿太しゅんた瑞穂みずほが声を上げる。


「まぁ、こいつら熱々の熟年夫婦なんで本当に無視してもらっていいですよ?」

「「駿太しゅんたぁ〜?」」

「やべっ」

駿太しゅんた〜逃げろぉ」


 この後、駿太しゅんたが半殺しにあったのは当たり前であった。禁句を口に出すのが悪いのだ。

 最近では、そう思っている生徒も多いらしく大迷惑を受けている。


 とまぁこんな感じでこれが昨日まで俺と夏樹なつきの関係だったはずだ。うん、これが今までだったはず……はず?


 俺が朝歩いていると突然後ろからつつかれて振り向くと夏樹なつきが立っていた。そして、頰を赤らめモジモジしながらこう言い放った。


「ねぇ、今日……、一緒に登校してくれない?」

「はっ!?」


 尚もモジモジしている夏樹の様子はまるで恋をする乙女のようだ。だからこそ、戸惑いが隠せない。なんで急にこんなことに!?


 どうしたんだよ、夏樹なつき



 →→→→→→→→→→→→→→→→→→→→


 夏樹に何があったのか? 急にデレデレモードに入ってしまったわけとは……?

 2人のすれ違い甘々ラブコメです。


 少しでも続きが気になった人は星と応援お願いします。m(_ _)m

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る