第14話 あれぇぇぇぇぇ!?
めちゃくちゃ大幅改稿しました。本当に作者のワガママで迷惑かけてすいません。今日から毎日投稿復活します。本当にすいません。
でも、多分こちらの方が面白いと思うので……。
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「に、新田?」
動かなきゃいけない。早くどかなければならない。そんなこと分かっている。夏樹だって怖がっているだろうし、早くどかないと後でどんな風にされるかなんて目に見えてる。
でも……。
何故だか夏樹の目に視線が吸い寄せられて動けない。体が固まってしまっている。あの時と同じ感覚。銀髪の美少女さんを助けた時と同じ電流が体を流れるような衝撃。
でも、これ以上は……。
「ご、ごめん。すぐどくか____」
俺はそう言いながら左手を右手側に持って来て体を横へとどかそうとした____のだが。
「な、夏樹!?」
俺が左手を動かそうとした途端に目の前の夏樹の手によって俺の左手は押さえられてしまう。女の子の手は柔らかいのは聞いたことはあるが夏樹の手は思っていた以上に柔らかい。
じゃなくて!
「あのー、どいた方がいいだろ? その、手を離してくれると」
「嫌」
「へっ?」
「嫌なの」
「はぁぁぁぁ!?」
焦っているような、冷静なようなよく分からない顔の夏樹の言葉によって俺は再び固まってしまう。
なに言ってるんだこいつ? あれか、俺をはめてクラスからの評価を落とさせようって魂胆か? ……いや、冷静に考えろ。
夏樹は確かに俺につっかかってくるし犬猿の仲だ。だとしても、夏樹はそんな卑怯な手を使って人をはめるような奴じゃない。そんなこと分かってる。長年の付き合いなんだ。
根はいい奴なのは分かってる。俺の考えとは真逆で腹立つようなことも言ってくるが、筋も通っているのも事実だ。
だから俺をはめようとしてるなんてのはあり得ない。落ち着け、俺こんな発想が出てくる時点で冷静じゃない。
……いや、まがりなりにも女子と床ドンの状態になって冷静な男がいたら教えて欲しいくらいだけどね!?
正直、俺割とこの状況下において冷静な部類だと思うけどね!? だが動揺しているのは事実。
考えろ。夏樹の顔をよく見るんだ。なにかヒントがあるは____。
「そ、そんな見つめ……ないで?」
ノォォォォォォン。無理じゃん! つーか、だったらこの手を離してくれ!
いや、諦めるな考えろ。夏樹の顔は真っ赤だ。むしろなるべく早く俺には離れて欲しいだろう。しかし、わざわざそれを止めるわけ……ダメだ出てこない。
「ってかそろそろ離してくれないか?」
「だ、ダメ」
夏樹はまた顔を真っ赤にしてそんなことを言う。そんな夏樹を見て心臓が大きく揺れたように感じた。ん? 心臓が大きく揺れた?
俺が夏樹を見て?……んん。
*
「お、おい夏樹そろそろ離してやれ。なんか翠の様子が変だ」
「えっ、あっあっ」
駿太に声がかけられる。そこでようやく私は自分が何をしてしまっているのかに気づいた。
目の前には新田の引き寄せられるような鋭い目があり顔には少し新田の髪が当たっていてくすぐったい。
じゃなくって! 私は新田の手を掴んで新田が離れようとするのを止めてしまっていたのだ。
「ご、ごめん新田すぐ離すね」
慌てた私はすぐさま新田の手を離す。私ってば本当になにを……。
「ってあれ? に、新田?」
しかし、新田は完全停止してしまっている。
でもこの体勢は無理だ。長時間は心臓が保たない。現に今ヤバイ。ということで私と駿太で協力して私と新田は床ドンの状態から持ち直すことが出来た……のだが。
「あ、あのー新田?」
相変わらず新田の反応がないのだ。も、もしかして怒ってる? というかそれしかない。新田としては早く離れたかっただろうに私が止めてしまっていたのだ。
怒っていても全然不思議じゃない。というか当たり前なわけで。
「あ、あの本当にごめんね」
私はなんとか新田に謝罪をしようと目の前に座る新田の手を掴んだ。その時だった。
「えっ、俺あれ? ってか夏樹なんで俺の手を握って……えっ//、あ、あれぇ?」
新田が固まった状態からようやく動きだした。それはいい。それはいいことなんだけど様子が変だ。
顔もいつもの凍るような冷たい顔じゃなくて赤いし、鋭いはずの目は混乱なのか目を回してしまっている。
「うっ、ちょっもう無理!」
「あっ」
そしてそんなことを呟くと教室の外へと走り去っていてしまった。
私は思わず手を伸ばして捕まえようとするが今の状況では逆効果なことに気づきすぐに諦める。
恐らく今回の件で怒っているのだとは思うのだけどなんか変だったなと思いつつ。しばらくして新田が戻ってくるまで呆然としたまま、新田が飛び出していったドアを眺めるのだった。
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次回 新田くんの混乱が描かれる? 彼はなにを思い何故顔を赤くしたのか……お楽しみに!
最後に少しでも面白い! 続きが気になると思って頂けたら是非是非星や応援お願いします。
では!
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